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2019/08/30

<韓国文化>国策映画の制約下における映画人の葛藤

  • 国策映画の制約下における映画人の葛藤

    『授業料』(1940)の一場面。「愛馬進軍歌」を歌いながら歩く


 1930~40年代、日本統治下の国策映画と日朝映画人の個人史をもとに、当時の実相に迫った「日本統治下の朝鮮シネマ群像《戦争と近代の同時代史》」(下川正晴著、弦書房)が出版された。アジア映画研究者の門間貴志・明治学院大学文学部芸術学科教授に文章を寄せてもらった。

◆当時の現実を理解する貴重な素材 門間 貴志(明治学院大学文学部教授)◆

 日本の統治下にあったアジアの諸地域では、現地と日本の映画人が共同で映画を制作していた。マニラでは『あの旗を撃て』(1944)、ジャカルタでは『南への願望』(1943)などの合作劇映画が撮られた。


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