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2021/04/23

<韓国文化>韓流シネマの散歩道 林權澤とルキノ・ヴィスコンティ   第58回                                     二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

  • 韓流シネマの散歩道 林權澤とルキノ・ヴィスコンティ    第58回                                     二松学舎大学 田村 紀之 客員教授

     韓国の伝統芸能パンソリの歌い手をテーマにして大ヒットした『風の丘を越えて西便制』

 ルキノ・ヴィスコンティの作品を何本か、まとめて観る機会に恵まれた。コロナ自粛に疲れ果てた末の、劇場での鑑賞。やはり映画は、大スクリーンでみるに限る。

 ほとんどがデジタル修正版だが、たまにフィルム版に出会うと、妙に懐かしさがわき出してくる。名作には何度観ても新しい発見があり、見逃した作品に出あったときの喜びも格別である。

ヴィスコンティを論じた書物は多いが、それぞれに切り口の違いがあって面白い。

 貴族出身という彼の出自から説く論者は、反ファシズム運動、共産党への傾倒と離別、そして映像美至上主義的な世界の確立に至る過程を中心に据える。音楽や絵画、そして演劇への造詣の深さは、その出身を抜きには語れない。没落する貴族の悲哀は、時の流れに乗り遅れた主人公たちの孤独として表現される。


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