韓国では最近、トロット(日本の演歌に似た韓国大衆音楽)ブームが再び起こっている。韓国大衆音楽を長年研究してきた小林孝行・岡山大学名誉教授に「韓国における最近の『トロット』ブーム」と題した寄稿を寄せてもらった。
最近の韓国での新たな「トロット」ブームについては、韓国のみならず、日本の主要な新聞でも特集コラムや特派員報道、あるいはネットなどで取り上げられている。
「トロット」とは、日本の「エンカ(演歌)」と似た韓国の大衆音楽の一つである。新たな「トロット」ブームは、2019年「明日はミス・トロット」、そして20年「明日はミスター・トロット」という韓国の音楽オーディション番組が火付け役となっているようだ。
「明日はミス・トロット」という番組は、トロット女性歌手のオーディション番組で、現役歌手、大学生、高校生、職業人、主婦などが参加している。19年2月から同年5月までTV朝鮮で制作放送され、最大視聴率18.1%を獲得している。この番組で優勝した宋歌人(ソン・ガイン)は一躍脚光を浴びている。その継承番組として、20年12月から21年3月まで「明日はミス・トロット2」が制作・放送され、最高視聴率は32%を超えている。
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