コロナ禍で韓日の演劇界も大きな打撃を受けた。韓国演劇の現況と韓日演劇交流について、徐在吉・韓国国民大学校准教授に「他者の目を持とう―コロナ禍のK演劇(韓国演劇)の成果と躍進」と題した原稿を寄せてもらった。
2020年、韓国は「演劇の年」であったがコロナ禍によって当初予定された公演の相当数が中止や延期、縮小上演を余儀なくされた。しかし、このようなパンデミックの中でも20年は韓国演劇の日本紹介にとって画期的な年でもあった。
タイトルだけ列挙すれば『星をかすめる風』、『神の末っ子アネモネ』『獣の時間』『少年Bが住む家』『外地の三人姉妹』、『客たち』等、K演劇(韓国演劇)の一大ブームが起きたからだ。特に『少年Bが住む家』は日本文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞をはじめ、演出賞(紀伊国屋演劇賞個人賞)、小田島雄志戯曲翻訳賞などを受賞した。こうした背景には2002年から韓国の韓日演劇交流協議会と日本の日韓演劇交流センターが20年間続けてきた両国の現代戯曲翻訳出版およびリーディングの舞台上演という長い歴史があることを忘れてはならない。
このプログラムを通じて韓国の劇作家50人の50作品が日本語に翻訳された。劇作家と作品は年齢・性別に関わりなく多様な劇作家の作品が選ばれ、作品の傾向もリアリズムから実験的な演劇に至るまで多彩である。
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