これまで、あえて取り上げるのを控えてきた話題は少なくない。グルメものはその代表的なテーマだが、これには幾つかの理由がある。まず、筋立てがほとんど決まっていて、料理人が腕前を競い合い、味の見立て人が舌や鼻の達人ぶりを発揮して判定を下す。
つぎに、最近では旅行やクイズもどきの料理番組も増えてきて、新味が無くなってしまった。出演者たちが「美味しい!」などといくら感激しても、視聴者にその味は届かない。
それでもあえて今回グルメを取り上げるのは、最近、ある日刊紙が韓国映画『エクストリーム・ジョブ』(19年)を、グルメものとして紹介していたのに驚いたからである。柳承龍率いる麻薬捜査班がチキン店を買い取り、張り込み監視する物語である。
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