◆家族愛、社会正義も描き高い完成度 鄭 憲さん(アジアン美容クリニック院長)◆
韓国製アクションスリラー『ハード・ヒット発信制限』が25日、東京・シネマート新宿ほか全国順次公開される。子ども2人を乗せ、車で通勤中の銀行支店長が非通知電話に出ると、謎の男から「シートの下に爆弾を仕掛けた」と告げられる。絶体絶命、制御不能、孤立無援の状況下で、予測不能の展開が繰り広げられる。鄭憲アジアン美容クリニック院長に映画評を寄せてもらった。
作品の中で映し出される釜山の街並みは、今やGDP世界10位まで成長した韓国で、ソウルに次ぐ第2の大都市の名に相応しい洗練された姿である。私が学生であった1980年代、釜山大学に通う友人を訪ねた思い出の中にあるのは、一地方の港町。海水浴客もまばらな浜辺で寝そべり、日が暮れる前から露天商から発達したチャガルチ海鮮市場の屋台で、山盛りの魚介類をつまみに焼酎を飲んだ頃のイメージとはかなり異なる。
つづきは本紙へ