◆『ベイビー・ブローカー』を観て 門間 貴志(明治学院大学文学部教授)◆
日本の是枝裕和監督と韓国の人気俳優、宋康昊(ソン・ガンホ)らがタッグを組んだ『ベイビー・ブローカー』(是枝裕和監督)が、日本でも公開され、話題を集めている。門間貴志・明治学院大学文学部教授に映画評を寄せてもらった。
昨今は、ある映画がどこの国に帰属するのかという考え方は、あまり意味をなさなくなっている。かつてウクライナの映画はソ連映画にカテゴライズされていたし、解放前の朝鮮映画は日本映画でもあった。現在ヨーロッパあたりの映画を観ると、製作国が複数にまたがることは普通のことで、参加している会社、資本、人材などが一国で完結している方が少ないだろう。
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