韓国出身の美術家で、国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する李禹煥(リ・ウファン)の東京では初めてとなる大規模な回顧展が8月より、東京・国立新美術館の開館15周年記念として開催される。
李禹煥は1936年、韓国慶尚南道生まれ。ソウル大学校美術大学入学後の1956年に来日し、日本大学文学部で哲学を学ぶ。1960年代末から始まった戦後日本美術におけるもっとも重要な動向の一つ、「もの派」をけん引した作家として広く知られる。1969年には論考「事物から存在へ」が美術出版社芸術評論に入選、1971年刊行の『出会いを求めて』は「もの派」の理論を支える重要文献となった。『余白の芸術』(2000年)は、韓国語、英語、フランス語などに翻訳されている。
同展は李が自ら展示構成を考案した。初期の作品から最新作まで、李の仕事と経過と性格を網羅的に浮き彫りにする。彫刻と絵画の2つのセクションに大きく分かれ、彫刻と絵画の展開の過程が、それぞれ時系列的に理解できるように展示される。 また、野外展示場には石とステンレスを用いた大型作品が設営予定だ。
つづきは本紙へ