「静中動:韓国のスピリットをたどる-開かれた陶のアート」展が、滋賀県立陶芸の森陶芸館で開かれている。同展では、静中動の視点から伝統を踏まえて、様々な表現・理論へと展開された韓国アート、主に陶を素材にした作品を中心に紹介し、その根底にある精神性と魅力に迫る。
激変する歴史の中で他文化と交流しながら、独創的な世界観を生み出した韓国アート界は、静の中に潜められる動のエネルギー、「静中の動」の精神が垣間見える。とりわけ、人・文化の交流を通じた変容によって新たな美が生まれる一方、その動きの中で相対的に浮かび上がるアイデンティティーや、変容の動きのなかでも変わらない伝統の精神性なども根底にうかがえる。その精神性の一つの代表例として挙げられるのが、朝鮮白磁の「満月壺」である。この満月壺は近年ジャンルを問わず、韓国のアーティストたちに通底する美・文化のキーワードとしてたびたび登場する。
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