開館35周年記念特別展「初期伊万里・朝鮮陶磁」が、東京・渋谷の戸栗美術館で開かれている。朝鮮半島から陶磁の技術が日本に伝わり、伊万里焼が誕生したことを知るとともに、名品に触れることが出来る貴重な展覧会だ。
伊万里焼は、1592年に始まった壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の際に、多くの朝鮮人陶工が日本に連れ去られて技術を伝えたことをきっかけに誕生した日本初の磁器である。
中でも初期の素朴な作風を「初期伊万里」と呼ぶ。江戸時代に実用品であった伊万里焼は、明治以降「鑑賞陶磁」として評価された。昭和20年代以降に活発化した陶磁器研究によって、伊万里焼の分類が進んだ。その中でも特に古いものにつけられたのが「初期伊万里」という呼び名である。初期伊万里は、陶工たちの手仕事が感じられる親しみやすさで人々の心をつかんだ。
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