◆多様なテーマに挑戦する在日コリアン作家◆　崔順愛（文教大学講師）

　在日コリアン2世の作家、深沢潮の作品は、韓国でも翻訳出版されている。作品のひとつ『ママたちの下剋上』は、韓国以上とも言われる日本の私立・国立小学校の受験戦争を描いた作品だ。同作品について崔順愛・文教大学講師に寄稿してもらった。

　受験の厳しさと言えば韓国の大学の入試がある。これに勝るような受験に日本の私立・国立小学校入学がある。噂で聞いた激しい日本の私立・国立小学校入学を控えた幼稚園受験生の母たちの受験戦争がリアルに描かれている『ママたちの下剋上』（小学館、2016年11月）を紹介する。

　タイトルから伝わるように母親たちのままならぬ競争が書かれている。主人公である香織は「聖アンジェラ学園初等部」の卒業生である。大手下着メーカーの広報宣伝活動を全国で展開する優秀なキャリアウーマンで評判がよく会社が能力を認める人材である。

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