◆同人誌「鳳仙花」の果たした役割◆ 崔順愛(文教大学講師)
同人誌『鳳仙花』は、在日コリアン女性たちの生活体験、差別の記憶、新世代の息吹など、知られる機会が少なかった多様な在日女性の声を紹介した。崔順愛・文教大学講師に「鳳仙花の果たした役割」について寄稿してもらった。
『鳳仙花』は、1991年から2013年まで刊行された同人誌。91年創刊当時は70㌻の分量で200冊発行からスタートして11年には200㌻の1000冊まで発行したが、13年27号で休刊に入った。総投稿数は創作を含めて650余編が掲載された。
構成は「投稿欄」を中心に日本人の投稿の場合は「隣人の欄」、男性の投稿は「招待席」「特別寄稿欄」にし「編集後記」「読者からの手紙」となっている。小説と詩などの創作も載せるなど、文芸同人誌的な枠組を整えている。投稿者は創刊当時は大多数が在日女性たちであったが日本人女性、韓国人、ニューカマー、帰化した朝鮮人が増えた。読者でありながら筆者になるパターンも多く、学者や物書きでもない女性たちである。
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