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2023/11/17

<韓国文化>王の葬儀に見る古代文化

  • 王の葬儀に見る古代文化

    武寧王の最後の安息所となった木棺

 特別展「1500年前・百済武寧王の葬儀」が、韓国国立公州博物館で開かれている。同展は、武寧王の1500周忌を迎え、葬儀から垣間見える2人の王について解説した展示だ。国の統治の基礎を作り、百済の再建に注力した王の死から葬儀の手続き、墓に安置するまでの27カ月にわたる過程を国宝9件など計126件697点の遺物を通して紹介している。

 「乙巳年(525年)8月12日、寧東大将軍百済斯麻王は土王らに尋ね、南西方向の土地を購入し陵墓を建てたため…」
父を亡くした悲しみに暮れる間もなく、息子は葬儀を行わなくてはならなかった。

 亡くなった王のため、土地の神に当時の貨幣1万枚で墓所を購入し、これを証明する内容を石に刻んだ。いわゆる「買地券(墓地を購入するための売買契約書)」だ。

 永遠の安息所となる墳墓は蓮の花の模様のレンガで埋め尽くされた。

 生前に斯麻王と呼ばれた武寧王(在位501~523)の葬儀は、息子の聖王(在位523~554)が必ず成功させなければならなかった試練であり、新たな時代の始まりだった。


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