◆韓国の厳しいマンション事情が物語の背景に◆
大災害によって荒廃した韓国・ソウルを舞台に、崩落を免れたマンションに集まった生存者たちの生命を賭けた争いを描いたパニックスリラー『コンクリート・ユートピア』が1月5日、東京・丸の内ピカデリーほか全国公開される。主演は人気俳優のイ・ビョンホン。鄭憲・アジアン美容クリニック院長に映画評を寄せてもらった。
中高年の方なら1990年代に起きた日本のバブル崩壊を記憶しているだろう。1985年9月、先進5カ国による「プラザ合意」がなされ急激な円高ドル安が進んだ。それまで順調だった日本経済は不況に陥り、日本政府は公共事業拡大と低金利政策を実行する。結果、企業・個人にお金が余り、やがて余ったお金は株式投資や不動産投資に回され、いわゆるバブル景気が生まれる。それが、1989年の金融政策転換と1990年の総量規制の実施で一気に資金がストップ。当然地価は暴落した。
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