◆スパイ映画を楽しむとき◆
日米開戦直前の魔都・上海フランス租界、自由な雰囲気のなかで壮絶なスパイ合戦が展開されるのが『サタデー・フィクション』(19年、中国、原題は『蘭心大劇院』)である。
蘭心大劇院では新作舞台「サタデー・フィクション」開演のためのリハーサルに余念がない。監督はロウ・イエ(婁燁)、主演女優はコン・リー(鞏俐)、敵役にオダギリジョー(小田切譲)とくれば、誰もが飛びつく中国のスパイ・アクション映画である。婁燁監督は当局の目からは問題児。鞏俐の妖しい魅力がモノクロ画面にあふれる。
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