韓国国立中央博物館は英祖の即位300周年を迎え、18世紀の宮中書画を扱う特別展「蕩蕩平平・文と絵の力」を開催している。英祖と正祖(在位1776~1800)の両者が夢見た「蕩平な世の中」に注目した展示だ。
展示は、英祖と正祖が書いた御筆(王が書いた字)をはじめ国宝1件、宝物11件、ユネスコ世界記憶遺産5件など計54件88点の遺物で、2人の王について解説する。展示室に足を踏み入れると「答えは蕩平にあり」という言葉が観覧客を迎える。
英祖(在位1724~1776)は歴代朝鮮王朝の王の中で最も長く王位に就いていたが、その人生は順調ではなかった。
彼が異母兄を継いで即位する過程で、臣下らは二手に分かれて対立した。どちらにも偏らないことを意味する「蕩平」を政治理念として掲げ、人材を均等に登用し、王位を正そうと努力するも、反対は激しかった。
1743年、司憲府としばらく対立していた時期、空を仰ぎけたたましく吠えるサプサル犬の姿の上に英祖が残した詩句には、蕩平策に反対する臣下への叱責が表れている。
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