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2024/07/12

<韓国文化>二つの国の心を通わせたい 寄稿 白土慎太郎(日本民藝館主任学芸員)

  • 二つの国の心を通わせたい寄稿 白土慎太郎(日本民藝館主任学芸員)

    柳宗悦「MEMORANDA」1921~22年

◆柳宗悦と浅川兄弟が魅了された朝鮮芸術◆

 「朝鮮民族美術館設立100年記念 柳宗悦と朝鮮民族美術館」が、東京・駒場の日本民藝館で開催中。朝鮮時代の工芸の美をいち早く見出し、京城(現在のソウル)に朝鮮民族美術館を設立した浅川伯教・巧兄弟と柳宗悦。今年は創設から100年の節目に当たる。白土慎太郎・日本民藝館主任学芸員に同展について寄稿を寄せてもらった。

 今から100年前の1924年、ソウルにある王宮・景福宮内の緝敬堂に、朝鮮時代の美術と工芸を展示する小さな美術館が誕生した。後に日本で民藝運動を展開した柳宗悦(1889~1961)や、朝鮮をこよなく愛し、日本人でありながら「韓国の土となった」ことで知られる浅川巧(1891~1931)らの尽力によるものである。

 朝鮮時代の美術の評価が未だ定まっていなかった頃、「民族芸術FolkArtとしての朝鮮の味ひのにじみ出た」作品に焦点を当ててその価値を問い、朝鮮民族が新たな作品を生む刺激を呼び起こすための機関とすることを目指したもので、「朝鮮民族美術館」と名付けられている。


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