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2000/11/10

<週間ダイジェスト>11月2日~11月8日

26日 ■離散家族再会を延期

 ソウル市内で講演した朴在圭・統一部長官は、11月2―4日の日程で予定されていた南北離散家族の再会事業が延期になったと明らかにした。北朝鮮側の事前準備ができていないのが理由。韓国と北朝鮮は、11月と12月に離散家族の相互訪問を実施することで合意していたが、これが12月と来年1月にずれ込む見通しだと朴長官は伝えた。

27日 ■米大統領、訪朝に慎重姿勢

 クリントン米大統領は、ホワイトハウスで記者会見し、「われわれは、北朝鮮のミサイルに重大な懸念を持っている」と語り、北朝鮮訪問の決断をまだ下していないと明らかにした。米の国内世論が性急な北朝鮮接近に警戒感を示しているに対し、慎重姿勢を示したもの。国務省のバウチャー報道官は、1日からマレーシアで開かれる朝米ミサイル協議の結果をみて、大統領の訪朝を決定するとしている。

28日 ■ソウルで韓米日首脳会談も

 大邱を訪問した金大中大統領は、自治体関係者との夕食会で、「クリントン大統領の北朝鮮訪問が実現すれば、ソウルで韓米日3カ国の首脳会談が開かれるだろう」との見方を示した。また金大統領は、「北朝鮮との関係改善には3国が協調して当たらねばならない」と強調した。

29日 ■労働新聞「過去の清算を」

 北朝鮮の労働党機関紙・労働新聞は、朝日交渉の再開を前に、「日本当局は朝鮮の軍隊と人民の対日感情、心理状態を正しく判別して、誠実な姿勢で会談に臨み、歴史的未解決の過去の清算問題を決着させるべきだ」と論評、「誠実な反省と謝罪を離れた信頼と関係改善などありえない」と強調した。

30日 ■北京で第11回朝日交渉

 北朝鮮と日本の第11回国交正常化交渉が北京の日本大使館で2日間の日程で始まり、日本の植民地支配に関する謝罪と補償など「過去の清算」をめぐり本格的な協議が行われた。焦点となっている植民地支配の補償問題について、日本側は、当時の「財産・請求権」を放棄して経済協力名目の資金援助を行う「韓日方式」を主張したが、北朝鮮側が拒否、協議の進展はみられず、共同文書の発表も見送られた。

31日 ■南北頂上会談が切手に

 朝鮮中央放送は、分断後初の南北頂上会談をあしらった記念切手を発行すると発表した。図柄は金正日書記が金大中大統領を空港に出迎え、両首脳が握手している写真を使い、「歴史的な平壌対面と北南最高級位会談記念主体89(2000)年6月13―15日)と刻まれている。

1日 ■朝米ミサイル協議再開

 北朝鮮と米国のミサイル協議が、マレーシアのクアラルンプールで再開された。先ごろ北朝鮮を訪問したオルブライト国務長官との会談で、人工衛星の打ち上げを代行してくれれば、その見返りにミサイル開発を抑制するとした金正日総書記の提案について具体的な協議に入った。北朝鮮は、ミサイル輸出を中断する見返りとして10億㌦を要求しているが、米側は金銭的補償には応じられないとの立場を貫いている。