8日 ■軽水炉事業を見直しへ
パウエル・米国務長官は、94年に締結された朝米合意(核開発を放棄する見返りとして軽水炉2基を北朝鮮に供給する)について、「朝米合意は内容の変更を妨げるものではない」と指摘し、軽水炉を火力発電所など他の発電所形態に切り替えることを示唆した。これは、軽水炉建設に膨大な費用がかかることと、米共和党内に核兵器転用の恐れがあるとして軽水炉供与に反対する声が根強いためと見られている。
9日 ■米、対北政策で韓日と連携
米国務省のバウチャー報道官は、金大中大統領とブッシュ大統領の韓米首脳会談を受けて、今後の対北朝鮮政策に関する米の姿勢を明らかにした。同報道官は、クリントン前政権の対北政策全般を見直す一方、政策の再検討については「韓米日の協議を最重要の前提とする」と述べ、3カ国の連携を強めていく考えを示した。
10日 ■北がブラジルと国交樹立
北朝鮮の朝鮮中央放送は、ブラジルと共同コミュニケを発表し、国交を回復したと明らかにした。これに対し韓国政府は両国の国交を歓迎する声明を発表した。北朝鮮は今月に入ってルクセンブルク、ギリシャと相次いで外交関係を結ぶなど国交ラッシュが続いている。
11日 ■金大統領が帰国会見
ブッシュ大統領との米韓首脳会談など一連の外交日程を終えて帰国した金大中大統領は、帰国会見で、「ブッシュ大統領は北に懐疑心を抱いている。これを北に伝え、必要なら助言もしたい」と述べた。また、「ブッシュ大統領の憂慮がよくわかった。ミサイル問題など懸案解決に、韓国としても協力を惜しまない」と強調した。さらに金大統領は、北朝鮮への経済支援と関連し、IMF(国際通貨基金)、世界銀行などと共同でワークショップを開くと明らかにした。
12日 ■北に下着150万枚援助
政府は、北朝鮮に対し子供用冬物下着150万枚を無償援助するとともに、農協が支援するリンゴ、ナシ、ジャガイモの輸送費80億ウオンを南北協力基金からねん出することを決めた。今回支援する下着は、経営危機に陥ったメーカーを支援する目的で買い上げたもの。
13日 ■南北閣僚級会談延期に
13日からソウルで予定されていた第5回南北閣僚級会談が突然延期された。北朝鮮側が同日朝に「行けなくなった」と伝えてきたもので、理由は明らかにされていない。延期は、7日の韓米首脳会談でブッシュ大統領が北への警戒感を示したため、北側が南北関係の再調整を急いでいるためとの見方が有力だ。
14日 ■平壌放送、米新政権を非難
平壌放送は、「ブッシュ政権は対北朝鮮敵視政策を変えず、われわれの自尊心と尊厳を傷つけ、共和国に挑戦しようとしている」と論評、1時間に6回も米新政権の非難を繰り返した。労働新聞も論評で、「米国が強硬な行動をとる以上は、わが国も強硬に対応する」と警告している。