1日■北朝鮮砲部隊、ほぼ被害なし
北朝鮮・江原道金化郡の砲兵中隊で勤務していたとされる脱北者によると、仁川・延坪島を砲撃した北朝鮮のロケット砲部隊は、韓国軍の応射ではほぼ被害を受けていないとの見方を示した。この脱北者は、北朝鮮のロケット砲は122㍉で、機動性が高く、砲撃後、坑道に徹底するのに10分もかからないと説明。韓国軍が1回目の応射を加えた時点で、北朝鮮の砲兵隊はすでに坑道に潜んでいただろうと指摘した。
30日■金滉植首相が準備の不備認める
金滉植首相が記者団らと会い、北朝鮮による仁川・延坪島砲撃を受けた韓国軍の対応について、「対応と準備態勢に不十分な点があったことは政府でも認めている」と述べた。また延坪島を含む黄海5島全般の安全対策を整えると表明した。金首相は、仁川に逃れた延坪島の島民らがもっとリラックスできる場所に移れるよう措置を講じていると強調した。
29日■李大統領が国民に向け談話発表
李明博大統領は、北朝鮮が黄海上の軍事境界線と位置付けられる北方限界線(NLL)に近い仁川・延坪島に砲撃を行ったことを受け、国民に向けて談話を発表した。今後、北朝鮮の挑発には必ずや相応の代価を払わせると述べ、断固とした対応を取る考えを強く示した。また、民間人に向け軍事攻撃を行うことは、戦時でも厳格に禁じられる非人道的な犯罪だと非難した。
28日■韓米両軍の合同軍事演習開始
韓米両軍の合同軍事演習が黄海で始まった。合同軍事演習は北朝鮮の軍事的挑発に対応するため計画され、規模は過去最大。米原子力空母ジョージ・ワシントンをはじめ、米海軍のイージス巡洋艦カウペンスとシャイロー、イージス駆逐艦ステザムとフィッツジェラルドなどが参加した。また、演習期間中に予想される北朝鮮のさらなる挑発行為に対応するため、米偵察機ジョイント・スターズも投入されたほか、北朝鮮の海岸砲やミサイル基地、戦車部隊の動きなども監視した。
27日■中国国務委員が李大統領を表敬
中国の戴秉国国務委員(副首相級)が急きょ訪韓した。戴国務委員は韓国到着後に外交通商部の金星煥長官と会談したほか、李明博大統領を表敬訪問した。戴国務委員は帰国後、韓国との協議の結果を北朝鮮に伝えるとみられ、近く北朝鮮を訪問する可能性も出ている。朝鮮半島の緊張が高まっているなかでの戴国務委員の訪韓は、中国が北朝鮮の仁川・延坪島への砲撃と関連し、ある種の役割を果たすことを示唆しており、今後の推移が注目される。
26日■北朝鮮の水害支援物資を回収
統一部は、北朝鮮による仁川・延坪島砲撃への対応措置として、今夏に大きな水害に遭った北朝鮮・新義州に送るため中国・丹東に保管中だった支援物資を回収する方針を決めた。統一部当局者は「中国の税関に北朝鮮への支援物資を回収すると通知した。物資の引き渡しのため現地にいた人員には帰国を指示し、物資の回収に向け必要な措置を取っている」と明らかにした。丹東に保管中の支援物資は、セメント3700㌧や5億8000万ウォン相当の医薬品など。
25日■韓日米外相会談、来月開催へ
外交通商部当局者は、韓日米の外相が来月に米ワシントンで会談する方向で調整が進められていると明らかにした。金星煥長官がクリントン米国務長官と電話で会談し一致した。北朝鮮が23日に韓国の延坪島に砲撃した事件を受け、朝鮮半島情勢全般に対する3カ国の緊密な共助案を協議すると伝えられた。これに先立ちクリントン長官は、日本の前原誠司外相との電話会談で、3カ国外相会談の開催に向け意見を交わした。