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2013/03/08

<週間ダイジェスト>2月28日~3月6日

6日■休戦協定「白紙化」で対策協議

 北朝鮮は5日、国連安保理の制裁の動きと韓米の合同軍事演習に反発し、朝鮮人民軍最高司令部の報道官声明として、韓国戦争の休戦協定を白紙に戻し、朝鮮人民軍の板門店代表部の活動も全面停止すると発表した。之に対し青瓦台(大統領府)は、国家安全保障会議(NSC)を通じて対応策を協議している。国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議案が発表されれば、北朝鮮の態度はさらに硬化するとみられる。

5日■与野対立、政治空白長期化へ

 政府組織再編をめぐる与野党の対立が臨時国会最終日も続き、政治空白の長期化が避けられなくなった。双方は臨時国会を近く開くことで暫定的に合意した。朴大統領が指名した17人の長官(閣僚)候補のうち、5日までに国会の人事聴聞会を通過すると見込まれるのはわずか8人と、半分にも満たない。一部の候補については人事聴聞会の日程さえも決まっていない。

4日■未来創造科学部長官候補が辞退

 朴槿恵大統領が新設した未来創造科学部の長官に内定していたベンチャー起業家の金鍾勲氏が、国会で記者会見を行って辞退を表明した。金氏は「政界の混乱をみて、私が祖国のため献身しようとした心を維持することが難しくなった」と理由を語った。未来創造科学部は新政府の「中核中の中核」官庁だが、野党側は、放送通信委員会の一部機能を新設される未来創造科学部に移管することなどに反対していた。

3日■安哲秀氏が4月の補欠選出馬

 4月24日に実施される再・補欠選挙で、安哲秀・元ソウル大教授がソウル市蘆原丙選挙区の国会議員補欠選挙に出馬することが明らかになった。安氏の側近で無所属の宋晧彰・国会議員が、記者会見で明らかにしたもの。昨年12月の大統領選投票日に渡米した安氏は、今月10日ごろ帰国する予定だ。帰国後、所信表明を行う予定。大統領選への立候補を表明したが、野党一本化のため出馬を断念した安氏の補欠選出馬だけに、政界に影響を与えるとみられる。

2日■民主統合党、大統領人事批判

 最大野党の民主統合党は、朴槿惠大統領が新政権の初代国家情報院長に南在俊・元陸軍参謀総長を内定したことについて、安全保障関係に陸軍の出身者が多く、専門性に欠けていると批判した。民主統合党は「国家安全保障室長や警護室長に続いて国家情報院長まですべて陸軍士官学校出身者では、政府部内で多様な論議が保障できなくなり、権力の独占現象が生じかねない」と語った。

1日■定例の韓米合同軍事演習開始

 韓国軍と米軍による定例の合同軍事演習「フォール・イーグル」に参加する米軍兵力が、米本土や太平洋地域、日本などから韓国へ向けて出発した。同演習には韓国から約20万人、米国から約1万人が参加し、両軍の海兵隊が参加する大規模な上陸訓練や朝鮮半島有事を想定した軍需支援訓練などが4月30日まで実施される。2015年12月に予定されている韓国軍への有事作戦統制権移管を見据え、今回は韓米連合司令部ではなく、韓国軍合同参謀本部が演習の計画を立てて施行する。

28日■韓国への有事作戦統制権移管推進

 2015年に行われる有事作戦統制権の在韓米軍から韓国軍への移管について、リッパート米国防次官補(アジア・太平洋安全保障問題担当)は、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が主催した討論会に出席して、「(作戦統制権の移管が)実現するよう、作業を進めている」と強調した。北朝鮮の3回目の核実験後、作戦統制権の移管時期を遅らせるべきとの主張が出ていることに対し、変更の計画が現在はないことを改めて確認したもの。