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2016/12/09

<週間ダイジェスト>12月1日~12月7日

7日■聴聞会2日目、国政介入厳しく追及

 国政調査の2日目の聴聞会が開かれ、与野党議員は崔順実被告らが権限を乱用して国政を牛耳っていた問題を集中的に追及した。議員らは、朴大統領と崔被告、崔被告と親しい広告制作監督のチャ・ウンテク被告、コ・ヨンテ氏らが裏で政府人事を操り、官庁職員を手なずけ国民を欺いたと批判。特に、互いに何を機に知り合ったのか、どういう手法で国政に介入したのかを厳しく問いただした。

6日■国会聴聞会に大企業トップら出席

 崔順実被告の国政介入事件の真相解明に向けた国会の国政調査で、聴聞会に出席したサムスン電子の李在鎔副会長は崔被告を知った時期について、「本当に記憶にない。いつ知ったのか分からない」と述べた。また、崔被告が設立した文化支援財団「ミル財団」とスポーツ支援財団「Kスポーツ財団」にサムスングループが計204億㌆(約20億円)を拠出したことに関し、「何かを望んで拠出したり支援したりしたことはない」と主張した。聴聞会には9人の大企業トップらが出席したが、李氏に質問の9割以上が集まった。

5日■国防予算確定、北朝鮮の核対応増額

 国防部は、17年度(1~12月)の国防予算が40兆3347億㌆(3兆9044億円)に確定したと発表した。今年に比べ4%多く、初めて40兆㌆を超えることとなった。予算総額は9月に提出した政府案通りで、削減されなかったのは2011年以降で初めて。北朝鮮の核とミサイルの脅威が高まっている状況が反映されたとみられる。

4日■非主流派、合意なければ弾劾賛成

 与党セヌリ党の非主流派でつくる非常時局委員会は国会で会議を開き、朴槿惠大統領の早期退陣の日程をめぐり与野党が合意に至らなければ、9日の国会本会議で行われる朴大統領の弾劾訴追案の採決で賛成票を投じる方針を決めた。非常時局委は、弾劾訴追案の採決前まで与野党が協議を行うよう改めて促した。与野党が合意に至らなかった場合は、退陣時期に対する朴大統領の立場表明に関係なく、9日の採決に無条件で応じることで意見をまとめた。

3日■野党、朴大統領の弾劾訴追案を発議

 野党3党(共に民主党、国民の党、正義党)は、崔順実被告をめぐる一連の事件を受け辞意を表明している朴槿惠大統領に対する弾劾訴追案を発議した。3党は9日の採決を目指すことで合意している。可決には在籍議員の3分の2(200人)以上の賛成が必要だ。野党3党と無所属議員は計172人で、与党セヌリ党から少なくとも28人以上の賛成票が必要となる。

2日■政府、独自の対北朝鮮制裁措置発表

 国連安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を採択したことを受け、政府は独自の北朝鮮制裁措置を発表した。金正恩・朝鮮労働党委員長の最側近である黄炳瑞・朝鮮人民軍総政治局長ら北朝鮮指導部の要人と、北朝鮮政権を支える主要機関・団体を制裁対象に指定した。北朝鮮の核・ミサイル開発に用いられる物資を取引したとして米国から制裁対象に指定され中国当局の捜査を受けた中国企業「丹東鴻祥実業発展」と、同社代表ら関係者4人も制裁対象に挙げられた。

1日■朴大統領、大邱の市場火災現場訪問

 朴槿惠大統領は、大邱で最大規模の伝統市場、西門市場の火災現場を訪問した。西門市場では11月30日午前2時ごろに大規模火災が発生し、火災により市場内の建物が多数崩壊し、消防士2人が負傷した。朴大統領は最小限の随行員と共に、15分ほど静かに現場を視察した。朴大統領が火災現場を訪れたのは、支持基盤の大邱で大きな災害が発生したのを見過ごすことができなかったからとみられる。