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2000/07/28

<韓国経済>造船受注が好調 上期で世界シェアの60%制覇

 国内造船業界は、今年も受注が好調で、今年上半期(1-6月)には世界の造船発注量の半分以上を確保した。昨年、日本を抑えて世界1位の造船大国になった韓国は、円高や生産性の向上が追い風となり、海外メーカーとの格差をさらに広げている。電子商取引の活性化や日本メーカーの構造調整の遅れで、国内造船業界の活況は当分続くとみられ、世界市場で独走体制を築くもようだ。

 韓国造船工業協会はこのほど、今年上期の国内の造船業界の受注規模が659万CGT(標準貨物船換算トン)で、昨年1年間の受注(660万CGT)とほぼ同じ実績を上げたと発表した。

 国内業界はGT(総トン数)基準で1200万GTを受注。世界の発注量(2000万GT)の60%に迫る物量を確保した。建造量も326万GTを記録、日本を抑えて世界1位に躍進した。

 国内造船業界の好調は、最大のライバルである日本の低迷による。円高の影響で韓国と日本の価格差は15%程度まで広がり、日本の業界は太刀打ちできなくなった。

 また、韓国の設計や施工技術が日本に追いつき、世界の船主から高い評価を受けていることも受注の拡大につながった。

 造船工業協会は、「人件費などの下落で製造コストが20%以上減り、逆に生産性は大幅に向上した」と受注好調の背景を説明している。

 外部的な要因としては、世界の経済回復による物量の増加がある。世界経済の堅調な回復で、コンテナ船の発注が増え、国際原油価格の上昇で原油の生産に必要な特殊船舶の発注も伸びた。

 今後も電子商取引の活性化で海上貨物量の増加が予想されることと、日本や欧州の造船メーカーの構造調整が不振なため、国内造船業界の活況は今後1|2年続くものと見られている。

 また国内メーカー各社は、すでに今後2年分の作業量を確保しており、量よりも収益性を重視した選別受注に切り替えることができるなど有利な立場にある。

 上期に28億ドルを受注した現代重工業は、はやくも年間受注目標(37億ドル)の達成が間近だ。サムスン重工業も最近、欧州で8億ドル相当の液化天然ガス(LNG)船5隻を受注、年間の目標値をすでに超過達成しており、両社とも今後は付加価値の高い船舶の受注に力を注ぐ構えだ。