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2000/12/15

<韓国経済>韓国重工を斗山が買収

 斗山が政府系企業、韓国重工業の新しい主人となった。浦項製鉄に続く韓重の民営化作業完了は、公営企業民営化の起爆剤になると見られ、政府の民営化作業に拍車がかかるもようだ。斗山は韓重の買収をきっかけに、食品・飲料中心から重電機へ事業構造を拡大、資産規模は11兆3000億ウォンに増え、財界10位の企業グループに浮上する。

 産業資源部と産業銀行は、産銀が保有していた韓国重工業株式の36%(3751万株)を売却するための競争入札で、斗山コンソーシアム(斗山90%、斗山建設10%)が1株あたり8150ウォン、計3057億ウォンの買収価格を提示し、スペココンソーシアムを抑えて落札したと明らかにした。

 斗山は今回の入札で36%の株式買収と、外換銀行が保有する韓重株15・7%も優先的に引き受ける権利を獲得した。これによって斗山は、51・7%を保有する韓重の筆頭株式となり、経営権を握ることになる。

 斗山は、今月19日までに産銀と株式譲渡契約を結び、即時買収代金を納付、臨時株主総会での承認をへて韓重の経営権を正式獲得する。

 斗山の朴容晩社長(戦略企画本部長)は落札後の記者会見で、「創業104年目で第2の跳躍期を迎えられる」と述べ、韓重買収をきっかけに消費財と中間財を両軸とする超優良企業に成長したいと抱負を語った。

 斗山が韓重を買収すると、資産規模は11兆2944億ウォンに増え、財界順位は12位から10位に上がる。
 斗山の当面の課題は、現在5%にも満たない韓重の営業利益率を2年以内に10%水準に引き上げることだ。このため、国内の発電設備の収益性を改善し、海外での淡水設備受注に力を注ぐ方針だ。

 韓重は、今年10月に米ウェスティングハウスと原子力分野で包括的提携協定を結んだのに続き、ゼネラル・エレクトリック(GE)とも発電設備分野で6億㌦規模の設備供給契約を結んでいるが、その後の進展はない。これまで公営企業として散漫経営を続けてきた韓重の体質を改善し、事業構造の改革を図ることが斗山に求められる。
 一方、政府は、韓国電力が保有している韓重の株式24・3%についても、競争入札を通じて来年上期中に売却する方針だ。