公的資金の投入案が先週末、国会を通過した。国会は本会議において40兆ウオン規模の公的資金投入案と公的資金管理法を一括処理、政府はこれを受けて、金融と企業の構造調整作業に着手した。公的資金の投入決定で、政府の構造調整の方向性が確定し、金融市場は安定したが、国民の負担は増えることになり、今後の構造調整の成果が問われることになる。
与野党は国会本会議を3度も延期するなど、もめにもめた末、公的資金管理法の細部内容について合意した。
論点となっていた公的資金管理委員会は、与党案通りに財政経済部直属となったが、公的資金82兆ウオンと準公的資金27兆ウオンを含めた109兆ウオンを国政調査の対象に確定した。このため、与野党議員20人で構成する国政調査特別委員会を設置する。
与野党は公的資金の国政調査を今月15日から来年1月31日まで実施することで合意し、また来年3月以降に投入する公的資金については、国会に事前報告することを決めた。
これを受けて政府は、今週中にもハンビット、光州、済州、平和、慶南など自主再生が不可能な銀行に対する処理方法の確定作業に入った。政府はまず銀行の経営評価委員会の最終報告書を土台に、不良銀行の減資比率を確定する。続いて不良銀行の国際決済銀行(BIS)自己資本比率を10%に引き上げ、不良債権比率を6%以下に下げるため公的資金の投入額を決定する。
預金保険公社が暫定集計した公的資金投入額(必要額)は、▽ハンビット4兆5000億ウオン▽平和5700億ウオン▽光州3742億ウオン▽済州2136億ウオンとなっている。
なお政府は、公的資金を受け取る銀行は、自主再建計画に対する労組の同意書を必ず提出するよう義務づける。同意書の提出がない銀行に対しては、公的資金の投入を中断し、強制合併やP&A(資産・負債の継承)方式で整理する。さらに銀行の経営陣に対しても、不良債権に対する責任を問い、交代させる方針だ。
しかし、資金を投入してもBIS比率が6%に満たない銀行は、強制合併する方針だ。
同時に政府は、信用金庫38、信用協同組合140に対しても構造調整を本格化する。これには5兆9000億ウオンの公的資金を投入するもようだ。