不況の暗雲が立ちこめているなか、中小企業界に共同商標を開発して競争力を高めようという動きが活発になっている。中小企業は、親会社の倒産や景気の低迷で著しく悪化した経営環境を打破しようと、組合などを中心に共同ブランドの導入を進めており、事業力の弱い中小企業の起爆剤になると期待されている。
現在、中小企業庁に登録されている共同商標は21で、これには265社が加わっている。
共同商標は、同じ製品を製造しているメーカー同士での導入が最も多い。韓国時計工業協同組合は、加盟企業5社を中心に共同商標の設定に乗り出している。同組合は、中小企業庁に共同商標を申請し、第一弾としてロマンソン社が開発したインターネットウォッチに共同商標を採用することを検討している。
韓国シンク工業協同組合も、加盟12企業を中心に「IBIS」(アイビス)というブランドを採択、家庭用シンク(流し台)事業に乗り出した。
ソウル市竜山区の電子団地協同組合は、今年から組み立てパソコンに共同商標を導入した。加盟企業から申請があれば、品質検査を終えた後に、パソコンに共同商標を取り付けて販売する。
さらに、インターネットでも中小企業間で共同商標の導入が推進されている。最近登場した流通ネット「ジンパス」は、物流事業を展開する中小企業を結集して、物流専門のポータルサイトをたち上げた。各企業が保有している800台の車両を活用して、サービスの全国展開を始めている。
一方、製造している商品は違うが、コンセプトを同じくするメーカーが集まって、一つのブランドを形成するケースもある。30社からなる生活雑貨メーカーは今年、「DesignKo」(デザインコ)というブランドを作成、品質が優秀なハンカチ、スカーフ、ネクタイ、時計、傘などに取り付け販売を始めた。
共同商標が生まれたのは、97年ごろ。地方の中小企業が生き残りをかけて、採用したのが始まりだ。靴やスポーツ用品を生産する釜山地域の中小企業が97年に開発したブランド「テズラック」の知名度は、いまや全国に広がっている。最近新たに10社と代理店契約を結び、年内に100店舗を超す勢いだ。
景気の悪化、経済の変化に大きな影響を受ける中小企業は、共同ブランドに生き残りをかけている。