ここから本文です

2000/10/06

<韓国経済>韓国重工を年内民営化

 政府は公営企業民営化推進委員会の第7回会議を開き、韓国重工業を年内に民営化するなどの細部日程を確定した。韓重が国内の発電設備市場を事実上独占していることから、売却先は国内企業に絞ることにしており、早くも現代、サムスンなど大手企業が韓重の買収に名乗りを挙げている。韓重の民営化日程が決まったことで、他の公営企業の民営化にも拍車がかかる見通しだ。

 政府は、民営化推進会議で、保有する韓国重工業の株式の36%以上を制限競争入札方式で国内企業に売却する決定を下したが、同時に韓国外換銀行が持っている株式15・7%も一括売却することになっており、買収企業は実質的に51%の株式を確保し、経営権を握ることになる。

 入札参加条件は、韓重と同じ業種に属する企業となっていたが、韓重と同じ発電設備を手がける企業がないため、大型プラントメーカーにも門戸を開放する方針だ。すでに現代重工業とサムスン重工業が名乗りを挙げているが、今後、入札企業が増えるとみられ、競争が激化するもようだ。

 現代重工業の趙忠彙社長は、昨年6月、「韓重の買収は現代重工業の競争力強化に大きな力となる」と語り、買収の意思を明らかにしている。2001年以降に予定されている現代グループからの系列分離をにらみ、韓重の買収を「再優先課題」としている。

 サムスン重工業も、昨年の株主総会で韓重の民営化に参加する意向を株主に発表した。その方針は現在も変わらないといわれている。

 政府は、韓重と包括的提携交渉を進めている米ゼネラル・エレクトリック(GE)およびウェスティングハウスには、10月下旬までに10―15%の株式をCB(転換社債)の発行で売却する。

 また一般公募を通じて放出する24%の株式については、入金が滞りなく行われれば10月下旬にも韓重を上場させる計画だ。

 一方、企画予算処は、産業銀行が保有している浦鉄の株式6・84%のうち4・6%を海外DR(株式預託証書)のかたちで海外市場で売却、残りの2・24%は浦鉄が自社株として買い入れることになり、民営化作業が完了したと発表した。

 企画予算処は、韓国通信、たばこ人参公社、韓国電力、韓国ガス公社、地域暖房公社の民営化と韓国総合化学の清算日程についても確定しており、今後、公営企業の民営化が急ピッチで進むもようだ。