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2000/09/29

<韓国経済>第2次金融構造調整が始動

 金融監督委員はこのほど「第2段階金融構造調整の推進計画(ブループリント)」を発表した。それによると金監委は、来月中にすべての大企業の信用リスクを一斉に点検して、存続する企業と退出させる企業を決定する。特に、営業利益で金融費用を補えない「不良兆候企業」対しては、再建の可能性があれば出資転換などで積極的に支援するが、可能性のない場合はワークアウト、法定管理、清算などの手続きを踏むことになる。

 今回の計画は、企業の不良化が金融圏の不安につながらないように、不良企業の整理を加速化させることに主眼がある。また、銀行の大型化を進め、世界50大銀行に入るスーパーバンクを誕生させる一方で、不良金融機関は思い切って整理・統合する。この構造調整のため、すでに40兆ウォンの公的資金追加投入が計画されている。銀行の構造調整は年内に完了し、不良企業の整理は年内完了を目標にしている。
 
 金監委では、まず▼負債比率200%以内の系列の信用リスク、負債比率の維持の可能性▼200%超過の系列会社の財務約定、流動性、事業展望▼短期流動性の問題企業の再建、整理可否などを、総合的に再点検する。
 
 点検結果、「不振」の判定を受けた企業は、主債権銀行と特別約定を結ぶことになり、流動性の問題が憂慮される場合は与信取引特別約款を適用して、自救努力を条件に金融支援を行うことにした。
 
 また500余社に達する法定管理、和議企業に対しては、債権銀行を通じて構造調整計画を再評価し、正常化された企業は裁判所と協議して早期解除を進めることに決めた。
 
 ワークアウト中である34社は11月末まで再建可能性を再び点検し、早期解除および退出を決定する。
 
 金監委はさらに、金融圏別の処理案についても詳細な対策を提示した。
 
 銀行部門では年内2行程度の大型銀行を誕生させるために▼優良銀行間の合併▼持ち株会社方式を活用した公的資金の投入銀行の統合ないし合併、を進める。
 
 ここに公的資金が投入された銀行でも独自生存が可能だと判断されれば、優良銀行との合併や金融持ち株会社の統合を模索することになる。
 
 ソウル銀行は公的資金の投入で正常化を図りながら、海外売却や提携を推進する。

 保険圏は6月末に自救余力比率が100%に満たない10社(生保8社、損保2社)の処理方向が決定される。大韓生命は資産の不足額だけ公的資金を投入して正常化させ、合わせて売却も推進することにした。

 現代投信証券は年末までに1兆2000億ウオンの資本拡充計画を履行しなければならないとし、履行がなされなければ、現代側が担保として提供した系列会社の株式(1兆7000億ウオン相当)を売り増資代金を納めるようにする。

 相互信用金庫は6月末基準のBIS比率を10月までに一斉点検し、4%未満である20|30社を合併または退出させる計画だ。