ここから本文です

2000/09/15

<韓国経済>シベリアガス田開発に参加

 産業資源部はこのほど、韓国、中国、ロシアが参加した第5次ガス田開発実務会議において、「シベリア・イルクーツクガス田開発の経済性調査事業」に対する3者協定に仮調印した。これにより、2008年からシベリアから地下パイプラインを通じて供給される低価格の天然ガス(LNG)を韓国でも使用できるようになる。また、パイプラインを北朝鮮にも通すプランも検討されている。

 産業資源部によると、ガス田開発に対する韓国側の事業費負担を3分の1(約35億ドル)とすることで合意し、今回の仮調印に至った。これを受け、来月にも各国政府が公式に承認し次第、本格的な経済性調査に着手する。

 韓・中・ロの3カ国は、2002年にガス田開発とパイプライン建設に着手し、早ければ2008年からガスの供給を開始する計画だ。韓国には年間700万㌧ずつ、30年間にわたって供給されることになっている。

 総工費は推計110億ドル。韓国の割当分700万㌧は、国内需要の半分に該当する量で、低価格の天然ガスが利用できれば、経済効果は100―150億ドルに達すると予想されている。

 イルクーツクガス田は、埋蔵量が世界2位の規模と推定されており、すでにガス田の基礎調査に入っている中国とロシアによると、推定埋蔵量は12億㌧に達し、すでに8億4000万㌧が確認された。

 パイプラインの経路に関しては3つの案が浮上している。第1案は、モンゴルを経て北京と山東半島を結び、海底を通じて韓国の平沢基地に到達する4115㌔。第2案はモンゴルを通らず、中国の瀋陽まで迂回したあと、北朝鮮の新義州を経て韓国に入る3965㌔。第3案はモンゴルから北京を通り、瀋陽を経由し新義州から韓国に入る4260㌔。

 敷設工事費など経費を考えると第2案が最も経済的だが、中国側が北京を経由するよう強く要求して難色を示し微妙だ。第1案は海底工事などに膨大な費用と工期がかかり、負担が重すぎるという意見が大勢を占めており、北朝鮮を経由する第2か第3案のどちらかに決まる可能性が高い。