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2000/09/08

<韓国経済>自動車3社、燃料電池車開発

 現代、起亜、大宇の国内3社がこのほど、燃料電池を使用した自動車の開発に相次いで成功した。政府が98年から推進している先端技術開発事業(G7プロジェクト)の一環として開発が進められていたもので、自動車業界は世界の最先端分野で世界有数の自動車メーカーと肩を並べたことになる。3社は燃料電池自動車の実用化を急ぎ、2004年をめどに市場に投入する計画だ。

 現代・起亜自動車はこのほど、韓国科学技術研究院、SK株式会社と共同で、メタノールを使用した燃料電池自動車を開発した。

 開発に2年間をかけ、90億ウオンが投入された燃料電池は、10㌔ワツト、最大時速126㌔で、時速60㌔の定速走行で380㌔走行できる。また時速100㌔までの加速時間は18・7秒だった。

 開発に当たった現代自関係者は、「メタノール燃料電池は、圧縮水素を使用する場合と違い、燃料変換装置を追加しなければならないなどの高度な技術が必要だが、安全性とインフラの面で優秀だ」とし、「今後ガソリンの燃料電池と並んで世界標準の燃料電池になる可能性がある」と説明している。

 大宇自動車は、高等技術研究院、韓国エネルギー技術研究所と共同で、水素の燃料電池装置を開発した。
 2年間で65億ウオンを投じ開発に成功した10㌔ワツト級「大宇燃料電池車-1」(DFCV-1)は、ミニバン「レッツォ」に搭載して走行テストを行い、最高時速125㌔、時速100㌔までの加速時間18秒を記録した。

 大宇は今後2年間に135億ウオンを投資し、メタノール変換方式の25㌔ワツト級燃料電池車の開発を行う。

 燃料電池車は、天然ガスやメタノールを使って発生した水素と空気中の酸素を化学的に反応させて電気をエネルギーに変えて走行するもの。水の電気分解とは逆の化学反応により、排出されるのは水蒸気となった水であるため、環境や人体への影響がない未来型エコロジーカーとして脚光を浴びている。

 ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、ダイムラークライスラー、トヨタ、日産など世界有数の自動車メーカーはすでに開発を終えており、国内メーカーはそれを追随するかたちだが、3社は今後、燃料電池の容量と最高速度を先進メーカー水準に近づけ、車体と燃料電池の軽量化といった補完作業を経て、2004―2005年の実用化をめざす。