韓国銀行が発表した今年第2四半期(4―6月)の実質国内総生産(GDP)成長率は、前年同期比2・7%の伸びにとどまり、第1四半期(1―3月)の3・7%を下回った。景気の回復が来年にずれ込むとの見方もあり、韓国銀行は第3四半期(7―9月)もマイナス成長が続くと予想している。
第2四半期のGDP成長率は、99年の第1四半期以降最低で、韓国銀行が今年6月に発表した予想値3・3%にも満たず、景気鈍化が当初の予想よりも深刻であることを裏付けている。
さらに第3四半期の成長率は第2四半期比でマイナス成長の可能性が高く、韓国銀行が目標としている2001年成長率3・8%の達成は微妙になってきた。
四半期ごとの成長率を見ると、昨年第1四半期は12・6%だったが、第2四半期は9・7%、第3四半期9・2%、第4四半期4・6%、今年第1四半期3・7%と急激に下落している。
第2四半期の成長率が急速に落ち込んだのは、設備投資の不振(10・8%減)と輸出の低迷(7・1%減)が原因で、民間消費だけがわずかに増加(2・9%)した。
特に下期に入って輸出不振が深刻化しているうえ、企業の投資意欲も回復する気配がなく、「景気沈滞が長期化する」と憂慮されている。
第2四半期の産業別GDP寄与度をみると、これまで成長のけん引役を果たしてきた情報通信が成長率3・4%と不振で、寄与度は第1四半期の70%から19%大きく落ち込んだ。なかでもGDP成長に貢献してきた半導体は、52%からマイナス0・3に急落し、深刻な事態となっている。また、輸出の寄与度は輸出の成長寄与率は119・8%から23・5%に落ち込んだ。
一方、韓国銀行は、半導体価格の急落などで第2四半期の実質国内総所得(GDI)増加率も前年同期比0・5%の伸びにとどまった。
陳稔・副総理兼財政経済部長官は、これと関連して、「世界経済が冷え込み、厳しい環境のなかで年間3―4%の成長を遂げるには、構造調整を確実に実行し、韓国経済の体力を養う必要がある」と指摘、今年の成長率を当初の4―5%から3―4%に下方修正する可能性を示唆した。