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2001/06/29

<韓国経済>銀行預金史上初の400兆ウォン突破

 証券市場の低迷で投資先を失い流動化した市中資金が、銀行に流れている。韓国銀行によると、銀行の総預金量は21日現在で400兆6000億ウオンに達し、昨年末の382兆1000億ウオンから18兆5000億ウオンも増加した。銀行預金が400兆ウオンを超えたのは史上初で、この傾向はさらに強まりそうだ。

 銀行の実勢金利が0%の超低金利時代に突入したにもかかわらず、市中の流動資金が銀行に集中している。貯蓄性預金は373兆6000億ウオンで、今年に入って20兆4000億ウオンも増えた。総預金量400兆ウオンのうち、満期6カ月未満の短期定期預金比率は181兆ウオン(5月末現在)で45%に達し、市中資金の流動化が進展している。特に今年に入って増えた預金5000億ウオンのうちの10兆ウオン以上が短期性預金となっている。

 商品別の短期預金は、▽6カ月未満定期49兆1000億ウオン▽随時出入型預金106兆1000億ウオン▽要求払い預金26兆3000億ウオンなど。さらにMMFなどの投資信託などを加えると、6カ月未満の短期流動資金は300兆ウオンに膨れ上がる。

 現在の銀行の定期預金金利は6・0―6・1%。利子所得税16・5%と5・4%に達する消費者物価上昇率を考慮すると、実質金利はゼロに近い。それにもかかわらず銀行に資金が集中しているのは、適当な投資先が見あたらないためだ。今年に入って預金金利が急速に低下し、MMFや債券型ファンドに資金が流れたが、金利の動向が不透明で、行き場をなくした資金が銀行に落ち着く傾向が顕著となっている。

 銀行に流入した資金のほとんどが短期性資金で、金利の低い随時出入型預金が大幅にアップ、定期預金も満期1年より3カ月、6カ月もののほうが人気が高い。

 このため、短期資金が増えた銀行も貸出期間を短縮するなど、大きな影響が出ている。ハナ、外換など一部の銀行は、住宅担保貸出に変動金利を適用し、企業向け貸出についても3カ月の変動金利を適用するケースが増えている。

 短期資金を多く抱える銀行は、市中金利が急変動した場合、逆ザヤによって大きな損害を被る可能性が高く、リスクの回避に頭を痛めている。