陳稔・副総理兼財政経済部長官は、国会の財政経済委員会で、「公的資金運用の現況」について報告し、3月末までに134兆7000億ウオンの公的資金を投入、このうち32兆8000億ウオンを回収(回収率24・4%)したと明らかにした。また陳長官は、第2四半期(4―6月)に14兆ウオンを支援するなど、今年も40兆ウオン規模の公的資金を投入する予定だと言明したが、財源不足が懸念されている。
景気の回復が遅れ、構造調整過程でさらに公的資金の投入が必要な企業が増えるとみられることから、政府は公的資金の財源確保に頭を悩ませている。
昨年末に追加造成した50兆ウオンの公的資金のうち、すでに半分の24兆1000億ウオンが投入され、残りの25兆9000億ウオンも今年末までにすべて消化される。陳長官によると、6月末までに13兆―14兆ウオン、下半期に11兆―14兆ウオンを投入する予定だ。
しかし、問題は公的資金の財源をどこから調達するかだ。てっとり早いのは、預金保険基金債券を発行することだ。政府は3月末までに19兆8000億ウオンを発行し、年内に20兆2000億ウオンを追加発行し、40兆ウオンを確保する計画だ。
しかし、政府が国家保証の預金保険基金債券の発行を今年末をめどに廃止する方針を決めたため、来年からは預金保険公社と資産管理公社が回収する債権にのみ依存することになる。
預金保険公社と資産管理公社の債権回収実績は、99年に14兆ウオン、昨年は15兆ウオンに達したが、景気の低迷で今年は3月末までに1兆4000億ウオンにとどまっている。
政府は来年下半期から国営企業の株式(52兆5000億ウオン)を売却し不足分を補うと強気の姿勢を示しているが、ソウル保険、韓国投資信託、大韓投資信託など大部分が非上場であるため、売却は難航が予想される。
また、これまで発行した国家保証の預金保険基金債と不良債権整理基金債の満期が来年から到来し、来年は9兆7000億ウオン、2003年27兆3000億ウオン、2004年21兆1000億ウオン、2005年13兆8000億ウオンを償還しなければならない。さらに2006年には40兆ウオンを超える見通しだ。
毎年15兆ウオンの債権を回収しても、借金を支払うのがやっとの状況で、来年以降に経営難に陥る企業や金融機関が出現した場合には、救済が不可能となる。このため政府は、公的資金の適正な投入基準を定めるとともに、2008年までの7年間に返済しなければならない政府保証債の元利金138兆ウオンの返済対策を講じる必要に迫られている。