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2001/12/14

<韓国経済>韓国農業は守られるのか

 「2004年にコメ市場が開放されても、輸入米に対する高い関税と流通費用を加味すれば、国内の農業は持ちこたえることができるだろう」。金東泰・農林部長官は、来年度の穀物価格の凍結方針を発表した席でこう語ったが、専門家らは国際価格の6―7倍に達する国内のコメ価格を来年度も維持することは、市場開放を間近に控えマイナス効果だと警告している。

 86年に行われたガットの多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)で10年間開放が見送られたコメ市場に対する再交渉が2004年に始まる。農林部は再交渉でもコメ市場開放を猶予する可能性があると主張している。しかし、専門家は「現実的に難しい」と厳しい見方をしている。

 高い関税を賦課して市場を開放した場合、輸入米との価格競争に勝つには、国産米の小売価格を現在より20・9%も下げなくてはならない。国内のコメ市場にかなり入り込んでいる中国米の価格は、現在トンあたり265ドル。運送料と保険料を含んだ価格だ。コメ市場の開放に際して、最高380%まで関税がかけられるが、最高関税をかけると、中国米の価格はトンあたり1272ドルに上昇する。それでも国内米の同1609ドルより安く、太刀打ちはできない。さらに、先月、カタールのドーハで開かれた交渉で、関税の実質的な引き下げで合意したため、市場開放初年度は高い関税を賦課できても、その後は大幅な引き下げを強いられる。

 韓国はウルグアイラウンドで毎年最低限のコメの輸入を義務づけられた。2004年には国内消費の4%にあたる20万5000トンを輸入しなければらならい。問題は高関税をかけても、輸入量を増やさなければならない点だ。専門家は、韓国が再交渉で農業途上国としての地位を失った場合、コメの最低輸入量が国内消費の10%に増えると懸念している。

 政府はこれまで、農家を保護するため、輸入米を加工用として使用したり、備蓄米として市場で流通させない措置を取ってきた。

 しかし輸入米が10%に増えれば、このような政策を続けるのは困難になる。今後どのようなコメ政策をとっていくのか、大きな岐路に立たされている。