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2001/11/30

<韓国経済>造船など主要産業手強い競争相手に

 産業資源部と産業研究院はこのほど、「中国経済の浮上と韓国産業の対応課題」と題したセミナーで、いま現在、中国と比べて優位にある造船、半導体、石油化学など韓国の主力産業は、2005年に中国に追いつかれ、中国と激しい競争を繰り広げることになるだろうとの報告書を発表した。今後、中国との競争に勝ち抜くには製品の高付加価値化、中国企業との合併が必要だと提言している。

 同報告書によると、現在、両国の産業を業種別に比較すると、半導体と石油化学、自動車、造船は韓国が優位、半導体を除く電子、繊維、製靴は中国が優位で、機械と鉄鋼はほぼ均衡状態にある。

 しかし、これが2005年以降になると、自動車を除いて全業種で中国が台頭し、し烈な市場競争が繰り広げられると展望している。

 また中国の世界貿易機構(WTO)加盟後は、中国と相互補完的な分業体制の構築に力を注ぎ、現地市場への進出とサービス業への投資を拡大する必要があると指摘した。特に北京五輪(2008年)を視野に環境および情報通信分野への進出を強化し、建設などで現地企業との合弁を推進する一方、五輪関連のイベントに積極的に参加して中国の内需市場を開拓していくことが重要だとしている。

 産業別の分析をみると、電子は、競争で優位に立つDVDや薄膜液晶表示装置(TFT-LCD)などデジタル家電を強化し、繊維は織物などの高級化戦略を推進していくことが不可欠で、製靴部門も機能性を重視した製品の差別化とデザインおよび素材の高級化が課題となると指摘している。

 造船と半導体は、研究開発(R&D)への投資拡大を通じた高付加価値化と中国市場進出拡大を図り、自動車は現地メーカーとの合弁生産の拡大とマーケティング強化、サービス網の拡充が必要だと分析している。また石油化学は、中国が原料の調達を図るため2010年まで増設を続けるとしており、これに合わせて技術移転と共同技術開発、資本参加などを通じた現地企業との提携を強化するのが望ましいとしている。さらに機械は、工作機械、建設機械、金型など比較的優位な分野に対するマーケティングを一層強化し、現地への投資拡大で部品産業の育成を図り、鉄鋼は通商摩擦を防止するために業界同士の交流を深めていくことが肝要だと提言している。