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2001/11/23

<韓国経済>景気回復へ切り札

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    特別消費税の引き下げは政府の国民に対する特別ボーナス。これでサイフのひもがゆるみ景気が回復するか?

 与野党は19日、国会財政経済委員会を開き、20日午前零時から乗用車、エアコン、各種レジャーおよび生活用品の特別消費税を平均33%引き下げるとする特別税法改正案を可決した。特別消費税の引き下げをめぐっては与野間で是非をめぐり論争が続いていたが、一部家電メーカーが特別消費税の引き下げを前提に製品の値引き販売を実施していることから、電撃的に特別消費税の引き下げに踏み切った。

 与野党は7時間にわたる論争を繰り返し、ようやく特別消費税法の改正案に合意した。ハンナラ党はこれまで、特別消費税引き下げと法人税引き下げの一括処理を主張してきたが、特別消費税法の改正案を優先処理することに譲歩した。

 羅午淵・財政経済委員長によると、ハンナラ党は来年度の歳入規模などを考慮し、特別消費税と法人税、所得税を一括審議することを提案してきたが、特別消費税の引き下げが急務であるとの認識で一致し、妥協したという。

 法案成立で、これまで7―14%だった自動車の特別消費税率が来年6月30日まで5―10%に緩和された。現代自動車の「グレンジャーXG2・5SE」(2000CC以上)は110万ウオン、「EFソナタGVS」(2000CC)は57万ウオンに引き下げられる。エアコンは10%、プロジェクションテレビも15%から10%に下がり、50インチの大型テレビは40万―50万ウオンも価格が安くなる。

 一方、「今後2年間課税なし」、「税率を現行の20%から15%に下げる」という意見で熱い論争が繰り広げられていた遊興飲食店の特別消費税は10%の引き下げで落ち着いた。

 特別消費税は他の税金に比べて市場での物価を左右し、市民生活に大きな影響を与えることから、低迷している消費を回復させる起爆剤として、いつ実施されるか注目を集めていた。特別消費税が下がると、自動車、家電製品からゴルフ用品、娯楽・生活用品まで価格が下がり、消費者の購買意識が高まる。これを輸出不振によって停滞している市場活性化の切り札にしようというのが政府のねらいだ。

 業界は、今回の措置を年末商戦に向けた「恵みの雨」と歓迎している。家電メーカーは一斉に値下げキャンペーンを開始。自動車メーカーも20日から顧客に引き渡す車両の特別消費税の割り引きを実施しており、特別消費税の引き下げ効果に期待している。