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2001/09/14

<韓国経済>石油化学3社 PP事業を統合へ

 欧州、日本など世界の石化業界で再編が活発に行われているが、国内でも統合や合併の動きが出始めている。石油化学メーカーの大林産業、SK、ポリミレは、PP(ポリプロピレン)事業部門などを統合し、新法人の設立を進めている。3社の合併でこれまでなかなか進まなかった石化業界の構造調整に拍車がかかるもようだ。これが実現すると、99年12月のハンファと大林産業のナフサ事業統合に次ぐビッグディール(大規模事業交換)となる。

 石化業界によると、HDPE(高密度ポリエチレン)の国内最大手である大林産業、PP(ポリプロピレン)で国内最大のポリミレ、HDPEおよびPPを生産しているSKが石化部門の統合を模索しており、年内にも統合法人が誕生するもようだ。

 業界関係者は、「統合時期、合弁比率、資産価値などの条件をめぐって現在協議中で、近く3社のコンソーシアムの具体的な構図が明らかになるだろう」と語る。

 PP部門で国内1位のポリミレと同4位のSKが合併すると、生産能力は88万トンとなり、世界7位のメーカーに浮上することになる。

 またHDPEも、国内1位の大林産業とSKが統合し、さらにSKがポリエチレンラインをHDPE用に転換すると、生産能力は73万トン規模となり、国内でトップ、世界でもベストテンに入る大型HDPEメーカーが誕生する。

 さらに3社が統合すれば、エチレン、プロピレンなど基礎原料の調達コストが下がり、物流およびマーケティング費用などの節減も可能になる見通しだ。

 統合が実現すると、大林産業はナフサ分解設備(NCC)とPP製品に続いて、最後に残っていたHDPE事業を整理することになり、石化業界の構造調整が事実上完了することになる。またSKは、6月30日にスチレンモノマー(SM)工場を韓国バスフに売却したのに続き、蔚山のPPとHDPE工場も整理する計画で、NCCとPX(パラキシレン)など基礎・中間原料の設備のみを保有することになる。

 なお、統合の協議は▽株式の均等保有▽ポリミレの株式の50%を保有している多国籍企業バセルが株式を追加取得し、新設法人の経営権を握る――などをめぐって、詰めの段階に入っているという。今後3社は、統合方法について多角的に話し合い、契約を結ぶと伝えられている。バセルは現在PP生産能力が年間520万トンで、シェア15・5%を占める世界のトップ企業。