金融監督委員会は、今月中にワークアウト(財務構造改善作業)企業に対する債権銀行の支援状況を一斉に点検し、同企業の再生を促す計画だ。これによって大宇造船、三票製作所、碧山建設など5社がワークアウトから脱出できる見通しだ。一方、この間のワークアウトにもかかわらず、収益性が落ち込み、競争力の回復が困難とみられる一部の企業については整理する方針だ。
金融当局は、「不良企業倒産」よりも「再生可能企業の支援」を重視した措置をとってきた。債権団もワークアウトを続けながら、経営実績が向上すれば企業の自主性を拡大する動きをみせている。
金融監督委員会は、現在ワークアウト中の35社のうち、相対的に経営の改善がみられ、正常化が可能な企業をワークアウトから「卒業」させる方針だ。ワークアウトが解除されれば、債権団が派遣している管財人が撤収し、経営の自立化が保証される。
企業がワークアウトから抜け出せば、信用度がアップし、株価も上昇する。しかし、これまでとられてきた、利子の減免、債務免除、債務返済期間の繰り延べなど特恵措置は廃止される。現在、5企業がワークアウト解除の候補に挙がっているが、解除には債権団の75%の賛成が必要で、実現するかどうかは不透明だ。
大宇系列13社を除外した22のワークアウト企業中、昨年は17企業が純損失を記録、9社が経常赤字を出し、すべての企業が営業利益を上げることができなかった。22社の昨年の経常赤字は2兆6500億ウオンに達し、経営難の泥沼から這い上がれない企業が多いことを裏付けている。
経営難が深刻な企業は、法定管理(会社更生法)などの適用を受け、清算、整理されることになる。法定管理でも再建が難しいと判断された企業は、破産宣告を受けた東亜建設と同じように倒産の道を歩むことになる。
債権団はワークアウト企業のすべてを救うことは不可能としながらも、▽経常利益、営業利益の推移▽自主再建努力▽流動性、経営成果――などを総合的に評価し、早期のワークアウト解除をめざす考えだ。
企業のワークアウトが解除されれば、それだけ債権金融機関の負担が減ることになり、金融市場の安定にもつながる。今後のワークアウト企業の動向に注目が集まっている。