韓国経済新聞と韓国信用評価情報がソウル、大邱、光州、大田、仁川など全国6大都市の創業調査を実施したところ、3月の新設法人は3135社に達した。1カ月の創業が3000社を超えたのは、昨年6月以来9カ月ぶりで、1日平均100社を超える企業が誕生したことになる。昨年上半期を頂点に法人設立は低迷状態が続いていたが、再び活気を取り戻しつつある。
このような創業ブームは、企業や金融の構造調整で職を失った人々が、独立して自分で事業を起こすケースが増えているためだ。
この間の構造調整に伴う人員削減で失業者は100万人を超えた。この中で運よく再就職できた人はわずかで、大部分が小資本で創業できるフランチャイズ事業やサービス業に進出している。
ソウル地域の新設法人をみると、半数を超える54%が5000万ウオン以下の資本金で創業している。人気業種は、特別な技術を必要としないサービスや流通分野で、サービス業が271社を占めた。
また、一時冷えたかに見えたベンチャーブームが再び活気を取り戻しているのも、創業が増えた一因だ。
中小企業庁によると、98年5月にベンチャー企業認定制度が導入されて以来、3月末でベンチャー企業は1万社を突破した。不況のあおりを受けて経営難に陥ったベンチャー企業も多いが、1カ月平均300社が誕生、ベンチャーの創業は依然として衰えていない。
情報処理・コンピューター業種の創業が相変わらず活発で、サービスに続き2位となっており、先端技術を土台にした情報技術(IT)分野の法人設立は、一時的な現象にとどまらず、今後も続くと見られている。
一方、創業者の性別や職業をみると、大学生と女性の創業が目立つ。これは、大企業や中堅企業が不景気から新規採用を大幅に減らしていることと、女性の就職難が続いているためだ。
最近は、繊細な女性の特性を生かした新たな事業が続々と登場しているうえ、女性団体などが起業家の積極的な支援に乗り出しており、女性をとりまくビジネス環境が大幅に変化している。ソウル、釜山、大邱、光州で12の女性創業支援センターを運営する女性経済人協会は、多様な創業支援プログラムを用意、女性ベンチャー協会や21世紀女性情報化フォーラムなどの女性団体も女性への支援事業を強化しており、今後、女性の創業が大幅に増える見通しだ。