2000年度業績で現代建設が巨額の赤字を出し、債務超過に陥る可能性が濃厚となってきたことから、現代建設の主債権銀行である外換銀行は、総貸出金4兆5000億ウオンのうち、1兆4000億ウオンを出資転換すると政府に申請した。これを受けて金融監督院は、5月に予定していた出資転換の繰り上げ、減資など具体的な債務処理方法について検討に入った。
政府は28日、陳稔・副総理兼財政経済部長官の主宰で経済閣僚懇談会を開き、現代建設の債務処理問題を協議した。
政府と債権団は、現代建設の損失規模が予想以上に多く、このまま放置しておけば、金融市場の混乱を招き、韓国経済にも大きな悪影響を及ぼすという認識で一致、5月に予定していた出資転換の繰り上げと法定管理の実施でほぼ合意した。
関係者は、「債務超過が確実視されており、出資転換を早急に実施するとともに、現在の経営陣を速やかに退陣させ、経営の立て直しを図る」と語っている。
サミル会計法人の監査によると、昨年の現代建設の当期純損失は最大で2兆9000億ウオンにのぼる見通しだ。同会計法人は、資本金2兆3000億ウオン(2000年末)をすべて食い尽くしても、約5000億ウオンの「マイナス資産」があることになると指摘しており、債務超過に陥れば現代建設にとって致命的だ。
こういった状況から、現代建設の出資転換は4月中に具体化される見通しだ。債権団は、サミル会計法人の監査結果と関係なく、来月初めに債権団会議を開き、点検作業を行う方針だ。また、現在進行中のヨンファ会計法人の監査も継続し、債権団の意見を調整したうえで、具体的な出資転換規模を確定する。
債権団は現在、債務処理の再調整について、▽貸出金の資本金転入▽転換社債(CB)の償還繰り延べ▽金利調整▽負債帳消しなどの検討を始めている。また、出資転換過程で現代建設の減資は避けられないと債権団は主張している。
しかし債権団は、少数株主の反発が予想されるうえ、筆頭株主の放漫経営に対する責任の追及も必要だという声があることから、減資については慎重に進める方針だ。
一方、政府も、現代建設に対する出資転換に先立ち、経営者である鄭夢憲氏の責任を追及する方針だ。また、債権団は現代建設の不正経営を早期に発見できなかったサミル会計法人についても、「会計法人の監査意見は、融資審査の基礎資料となる。債権団に膨大な損失を負わせた会計法人にも適切な措置をとる」と責任を追求する構えだ。