政府主導の金融持ち株会社が、金融監督委員会の設立認可が下り次第、4月2日に発足する。これに先立ち持ち株会社に編入されるハンビット銀行、光州銀行、平和銀行、慶南銀行の4行が株主総会を開き、銀行長、監査、役員23人(常勤9人、社外理事14人)を選任した。また4行は、12日に再度株主総会を開き、持ち株会社への株式移転と経営陣を決定する予定だ。
今回の4行の人事では、金融持ち株会社の尹炳哲会長の息のかかった人物の登用が目立つ。
留任がささやかれたり、有望視されていた候補者は全員脱落した。金融持ち株会社の中枢であるハンビット銀行の銀行長には、金融理論に明るい李徳勲氏が任命され、副行長には金鍾郁常務が就任した。国民銀行と長期信用銀行で勤務経験を持つ平和銀行の黄行長と慶南銀行の姜行長は、ともに長期信用銀行で尹会長と机を並べた経歴の持ち主だ。慶南銀行の監査に任命されたハナ銀行の金ヨンドク理事もまた尹会長の推薦によるものだ。
これによって金融持ち株会社の経営陣は、事実上「尹ファミリー」で固められることになる。
ハンビット銀行を除く持ち株子会社の銀行長には、企業金融など実務に精通した金融家が任命されており、リーデイングバンクを目標として掲げている金融持ち株会社の趣旨に沿った布石といえる。
しかし、今回の新任銀行長らの経営能力や組織掌握能力について懸念すべき点も多い。ハンビット銀行長だけを見ても、大韓投信の経営を引き受け1年もたたないうえ、銀行で直接勤務した経験がないために、経営能力を危ぶむ声も出ている。
李徳勲・ハンビット銀行長は、韓国開発研究院(KDI)に勤務し財務長官や経済企画院長官の諮問官を務め、金融政策の決定において参謀的な役割を果たしてきた。
金融関係者は、「KDIなどで政府の理論だけを支えてきた学者に、果たして銀行の経営ができるかどうか。銀行経営と投信の経営は異なる。財政経済部や金融監督院関係者が子会社の監査に任命されたことも問題だ。今後、政府の干渉をどこまで排除できるか見守るしかない」と指摘している。