政府は、慢性的な赤字にあえぐ鉄道産業を正常化するため、本格的な構造改革作業に入った。鉄道庁は毎年3000億ウオン前後の赤字が続いており、国民の負担を軽減する道は民営化しかないと判断した。政府は2003年をめどに鉄道庁を解体し、段階的に分割民営化する方針だ。
建設交通部長官は、金大中大統領に対する年初の業務報告で、「鉄道産業の構造改革に向け、年内に関連法の改正を図る」と述べ、早ければ来年から京春線、京義線など首都圏の一部鉄道を民間企業に委託経営させる方針を明らかにした。
また、新設予定の東海線(浦項―束草)、湖南高速鉄道、晋州―金泉線も希望する業者があれば、民間に経営を任せるとしている。
現在、新韓銀行など一部企業が、鉄道事業への投資を検討中だが、はっきりとした参入意思を表明している企業はない。また、政府が財閥グループ系列社に鉄道事業への参入を許可するかどうかも不透明だ。
こういった状況から判断すると、民間鉄道会社が誕生するのは、早くても2003年ごろになるという見方が強い。
鉄道庁関係者は、「今回の鉄道の構造改革は、大企業がすぐに参入して収益を確保できるような性質のものではない」と話しており、民営化には紆余曲折が予想される。
また、収益が見込める区間を民間企業に譲渡すれば、政府が出資して設立する韓国鉄道株式会社の経営が悪化するという懸念もある。
これとともに、京義線の復元、シベリア鉄道との連結など大規模なプロジェクトを控え、膨大な投資が必要なこの時期に、鉄道事業を民営化するのは望ましくないという声も出ている。
収益性が不透明な鉄道事業にはたして民間企業が参入するかどうか、鉄道民営化にはクリアしなければならない難題が山積している。