産業資源部は、21世紀を担う4大産業として情報技術(IT)、生命産業(BT)、新素材・微細加工技術、新エネルギー・環境産業を選定し、国を挙げて育成に取り組む方針だ。辛国煥・産業資源部長官が、金大中大統領に報告した2001年業務計画で明らかにしたもので、全経連など経済団体と共同で国家技術革新推進協議会を発足、業種、団体別に技術革新戦略チームを構成し、具体的な育成プランづくりに着手する。
産業資源部はまず、21世紀の国家成長を担う原動力として、▽ポストPC(パソコン代替品)、デジタル機器、電子商取引▽遺伝子組み替え、細胞培養、生命工学▽新金属▽高分子素材、極細繊維▽太陽光、燃料電池、クリーンエネルギーの4分野を重点育成産業に選定、この分野に投資を集中する。
情報技術(IT)分野では、2005年までに国産化率を80%まで引き上げる「エレクトロ・0580プロジェクト」を推進する。また生命産業分野では、機能性食品素材、動物細胞培養など10大核心技術について研究段階から投資を誘致し、研究開発の活性化を図る。
新素材分野ではナノ(10億分の1)技術向上に力を入れ、外資系企業の投資を積極的に推進、新エネルギー分野では水素エネルギーと核融合など未来の先端技術を開発する。
また、新産業の育成と足並みをそろえて半導体、デジタル家電、造船、鉄鋼、自動車、石油化学、機械、繊維など既存の7大産業についてもIT化を促進し、付加価値を高めていく方針で、早期に業種別の官民合同発展戦略会議を設置する。
このほか産業資源部は、化繊、綿紡、電気炉、製紙、セメント、石油化学、農機械の7業界の設備過剰についても、全経連と業種別団体を中心に自主解決をめざし構造調整を促進する計画。
一方、国家のイメージアップを図るため、輸出拡大戦略「トータリー・ニューコリア・プロジェクト」を推進、2010年までに200品目の優良商品を開発する計画だ。これによって、2010年までの10大先進国入りをめざす。