ここから本文です

2002/04/19

<韓国経済>過去最高の11兆ウォンに 今年度の銀行純益

 金融監督院は、今年の銀行の当期純利益が過去最大の11兆ウオンに達する見通しだと発表した。銀行はこの3年間で95兆1700余億ウオンの不良債権を処理し、2001年度は前年比9兆4750億ウオン増の5兆2792億ウオンの純利益を達成、過去最高を記録した。金利の下落や顧客確保競争で預貸マージン率が下がっても、今年の純利益は7兆ウオン台を確保できるとみられ、昨年より収益が好転するのは確実だ。

 昨年の1行当たり当期純利益は5800万ウオンで、米国の4000万ウオン、英国の5400万ウオン、ドイツの2760万ウオンなど先進国水準をいずれも上回った。なお2000年の1行当たり損益は4300万ウオンの赤字となっていた。当期純益のトップは国民、次いでハンビット、朝興、農協と続いている。

 昨年の収益構造をみると、手数料3兆8473億ウオン、家計融資(個人向け融資)の拡大による利子8412億ウオン、信託運用7859億ウオンで、いずれの部門も大幅黒字を記録した。

 手数料は、前年より25%増え、収益全体に占める割合は63・3%に達している。特に収益が伸びたのは家計融資部門で、1兆3343億ウオンを記録した。これは前年比255%の驚異的な伸びだ。

 その半面、企業向け融資が前年の7兆904億ウオンの損失に続いて、昨年も3兆989億ウオンの損失を出し、収益率はマイナス51%と経営の負担になっている。

 一方、昨年の銀行の総資産は915兆1353億ウオンで、前年より10%(83兆4866億ウオン)増えた。総資産のトップは住宅と国民が合併して誕生した新生・国民銀行だった。

 金融監督院は、低金利による資金調達で預貸マージン率が拡大しており、不良債権の処理が引き続き順調にいけば、11兆ウオンの純益確保も可能だとみている。