ハイニックス半導体と米マイクロンテクノロジーとの提携交渉が、半導体工場の売却価格に対する意見の食い違いから膠着状態に陥っている。ハイニックスが先週、米国で行われた第4回交渉の席で、50億ドルを要求したのに対し、マイクロンは33億ドルを主張。4回におよぶ交渉にもかかわらず、折り合いがつかず、交渉が長期化または中断するのではないかという懸念が出始めている。
4回目の交渉の席でマイクロンが提示した33億ドルに対して、ハイニックスは「到底受け入れられない」という姿勢を最後まで崩さなかった。
世界3位のDRAMメーカーであるハイニックスの営業権と、最近DRAM価格が上昇に転じ半導体の景気回復が見えてきただけに、ハイニックスは50億ドルの金額から1文も下げないと強気の姿勢だ。
ハイニックス債権団の関係者によると、マイクロンは、国内のマスコミが「債権団の希望価格は32億―40億ドル」報道したのを根拠に、交渉の席では最初から33億㌦を主張したという。
債権団は今後引き続き交渉を進めていくが、最低でも40億ドル以下では売却しない方針だ。特に売却代金としてマイクロンの株式を充当する案が出ており、マイクロンの株価が上昇するかどうか不透明な状況では、売却価格を下げるわけにはいかないと債権団は譲歩しない構えだ。
現在ハイニックスに対する債権額は、▽銀行5兆135億ウオン▽投信1兆2517億ウオン▽第2金融圏1兆5555億ウオンの合わせて7兆8207億ウオンに達する。
債権団によると、売却額が40億ドルを割り込むと、有担保債権者である産業銀行の取り分を除き、他の債権者はハイニックスの支援から手を引き清算配当(約30%)を受け取った銀行よりも回収額が少なくなってしまうという。
「今回の交渉で得たものは何もない。ただ引き続き交渉を続けることを確認しただけ」( 李沿洙・外換銀行副行長)という債権団は、今月末に予定されているマイクロンの提案を待って、全体債権団会議を開く予定だ。
万が一、マイクロンとの交渉が決裂した場合は、独自再建もしくは不渡り処理し法定管理(会社更生法に相当)の適用をめざすことも選択肢に入っているという。そのカギを握るDRAM価格が、3ドル(128メガ基準)以上を維持すれば、独自再建も可能になるが、価格が下がれば企業生命を絶たれることになる。