「2003年の経済展望」によると、来年は、消費が鈍化するものの、輸出が比較的高い伸びをみせ、国内総生産(GDP)成長率は5・7%に達するもようだ。しかし、この数値は今年の成長率6・2%(推定)よりかなり低い。
韓銀は、民間消費が来年上期に大幅に落ち込むが、下期に入って成長をけん引する程度まで回復すると展望。来年第1四半期の民間消費増加率は4・6%まで落ち込むが、第2四半期は5・1%、下期は5・8%に上昇するとみている。下期に消費が回復するのは、賃金の上昇によって家計の購買力がアップすると予想されるためだ。
しかし、来年は高騰していた住宅価格が沈静化し、不動産価格の上昇が後押ししてきた消費拡大効果が消滅するとの見方もあり、消費の回復は不透明だ。
一方、韓銀は来年の設備投資増加率が10%台に達すると予想している。これは景気の不透明感から設備投資を抑制していた企業が、その反動で来年は投資を拡大するとみられるためだ。また今年下期から輸出が急増し、企業の設備投資拡大を助長する見通しだ。
しかしながら、一部の業種では相変わらず設備過剰状態が続き、設備投資増加率は低水準にとどまるもようだ。
輸出は、米国など主要先進国の景気回復と中国の高成長を背景に引き続き増える見通しだ。来年上期は10%以上の伸びを示し、下期はやや落ち込み6%台にとどまる。
なお、韓国銀行が示した経済予測は、他の経済研究所と比べると高く、成長率は韓国開発研究院(KDI)が5・3%、金融研究院は5・5%、産業研究院は5・6%、サムスン経済研究所は5%台、LG経済研究院は5・6%となっている。
米国のイラク攻撃、先進国の景気低迷、国内の物価上昇、労使関係、輸出採算性悪化など不安要因を考慮すると、韓銀の予測は楽観的だといえそうだ。