政府は、来年から化学物質、精密工作機械、半導体装置、先端機器など一部の輸出品に対し規制を強化すると発表した。昨年9月の同時多発テロ以降、世界的に広がっている大量破壊兵器(WMD)の開発を抑制する動きに同調した措置で、これによって今後、半導体装置など先端品目の輸出に支障が出るのではないかと懸念される。
産業資源部は、国際輸出統制品目に指定されているもの以外でも大量破壊兵器(WMD)開発につながる恐れのある品目について、輸出を規制する「キャッチオール制度」を来年から施行すると明らかにした。
対外貿易法第21条で、戦略物資の輸出は制限されているが、政府はこれを改正し、来年1月からキャッチオール制度を導入する計画だ。
キャッチオール制度は、輸出品目が大量破壊兵器の開発に利用される可能性があると判断された場合、これの輸出を禁止するもので、戦略物資と同じように予め対象品目を選定して取り締まるもの。これによって無条件に当該品目の輸出が制限されることはないが、化学物質、精密工作機械、半導体装置など一部品目の輸出が減少するもようだ。特に、中東国家向け輸出は、大きな打撃が予想されている。
産業資源部は、輸出企業が大量破壊兵器に転用できる戦略物資を海外に輸出する場合は、最終需要者の証明など資料の提出を義務付け、関連機関に監査権や監督権を与える方針だ。また韓国企業が戦略物資の不法輸出を行ったり、資料の提出義務に違反し監査を拒否した場合には、5年以下の懲役または2000万ウオン以下の罰金刑に処すとした法律も新設する。
産業資源部は、「同時多発テロ後、大量破壊兵器の非拡散問題が国際社会の重要な懸案となっており、韓国製品が大量破壊兵器の開発に使われれば、貿易停止など国際的な制裁を受けることになる。これを未然に防がなければならない」と強調している。
キャッチオール制度は米国が94年に施行して以来、欧州連合(EU)、日本などが導入している。