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2002/11/15

<韓国経済>企業の負債比率大幅改善

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    製造業の負債比率が大幅に低下したのは旧大宇グループの構造調整が完了したため(大宇重工業)

 韓国銀行が金融業を除いた国内2414社を対象に分析した「2002年上期の企業経営分析」によると、今年6月末現在で負債比率は135・6%にとどまり、前年末(182・2%)に比べて46・6ポイント下がった。果敢な構造調整を持続し、余剰資金を新規投資にではなく借入金返済に充てたことが負債比率改善につながった。

 韓国銀行によると、負債比率は66年に過去最低の117%を記録しているが、今回の135・6%はそれに次ぐ最低値。米国(162・1%、2002年6月末基準)と日本(159・7%、2000年末基準)よりも低かった。

 国内製造業の負債比率は通貨危機当時の97年に396・8%まで上がり、98年に303%、99年214・7%、2000年210・6%、2001年198・3%と下降曲線をたどってきた。今回、米国、日本といった先進国よりも負債比率が下がったことは、財務構造が先進国と比べてかなり改善したことを物語る。

 総資本に対する借入金と社債の割合を表す「借り入れ金依存度」も昨年上期より6・7ポイント下がり33・1%に下がった。

 韓国銀行は、企業の財務構造関連指標が好転した理由について、構造調整の進展、借入金の返済、金利の下落によるものと分析している。

 特に銀行の不良負債の出資転換などで旧大宇グループ系列企業の構造調整が進んだことが、平均負債比率を大幅に下げる役割を果たしたと指摘している。負債比率の半分以上を大宇関連企業が占めていた。

 また、収益性も大幅に改善され、売上高対比の経常利益率が前年同期に比べ2倍に増えている。昨年上期に3・7%だった経常利益率は今年上期には7・3%に拡大し、米国(5・0%、2002年6月末基準)、日本(3・9%、2000年末基準)よりも高い。さらに売上高対比の営業利益率も7・8%を記録し、前年同期より0・9ポイント上がった。