米国、中国に生産基地を建設中の現代モービスが、さらなるグローバル企業への跳躍をめざしてインドとトルコに生産基地を建設すると明かにした。これによってモジュール、ステアリングなどの部品を世界のメーカーに供給できる体制を整える。
現代モービスはこのほど、現代・起亜自動車の生産拡充に合わせて、インドとトルコに新たにモジュール工場を建設する方針で、現在、用地の確保と投資規模について協議していると発表した。また、2カ国以外の国にも海外基地を整備する計画で、グローバル生産基地の拡充に拍車をかける。
モービスはすでに現代自動車が工場建設を進めている米アラバマ州モンゴメリー市付近に30万台規模のモジュール工場を建設中で、2005年からフロントモジュール、リアモジュール、ドライバーシートモジュールなどを生産する。
中国では上海に物流基地を設置するのに次いで、年間1兆ウオン相当の部品を生産する現地法人を設立する。また現代・起亜自動車の中国進出に歩調を合わせ、江蘇省・北京近郊にモジュールおよび部品工場を建設するほか、トランスミッション工場の設立も検討中だ。
朴承夏・モジュール事業本部長は、「米国と中国の現地工場建設に今後1000億ウオンを投資する」と明らかにし、「2006年には国内で250万台、海外で100万台規模のモジュール設備を備えた世界的メーカーに躍進する」と抱負を語った。
またモービスは最近、ダイムラークライスラーと450億ウオン相当のステアリング・コラム(舵取りハンドル軸管)のOEM(相手先ブランドによる生産)納品契約を締結した。これは現代自動車、ダイムラークライスラー、三菱自動車の3社が最近、全世界で130億ドルの自動車部品を共同購買することに合意したことを受けたもの。モービスがビッグスリーに部品を供給するのは初めて。
一方、モービスは来月、米デトロイトでGM、フォード、デルファイなどを招いて部品展示会を開き、来年1月にはダイムラークライスラー本社でサスペンションモジュール、パワークレーン部品、電装品の展示会を開催、北米市場の攻略を本格化する。これによって2005年までに10億ドル規模の輸出を達成する方針だ。