比較的巡航だが、あちこち地雷原がある――。サムスン、LG、現代、韓国経済研究所など民間経済研究所が最近相次いで明らかにした来年の経済見通しの特徴を一言で言うとこうなる。
民間研究所の多くは、来年の経済成長率を5%台後半と予測している。今年の都市の6%台よりはやや低いが「巡航」といっていい水準だ。だが、来年には不確実性が多い。特に、米国がイラクを攻撃すれば原油が急騰する恐れがある。各研究所も一様にこの点を指摘、国内経済を揺るがす最大変数だとしている。また、国内の不動産バブル崩壊の可能性を指摘、この影響も大きいと憂慮している。
まず、来年の成長率は5・6―5・8%を予測。実体経済に目立った悪化傾向が見られない上、世界IT産業も来年下半期からは回復する可能性がこのような成長予測の根拠になっている。伏兵は米国のイラク攻撃だ。仮に攻撃があったとしても短期間で収拾されればこのような実績は可能だが、長期化すれば2%台に低下するとの見通しもある。これと関連、田・副総理兼財政経済部長官は、ニューヨークでの会見などで「戦争の可能性に備え、戦争持続期間別に石油価格・輸出・外為市場に及ぼす影響などを綿密に分析して対応策を樹立済みだ」と明らかにしている。
経常収支黒字幅は今年の50億㌦より大幅に減少する見通しだ。97年のIMF危機以降、初めて赤字に転落する可能性もある。来年は世界貿易は6%台の輸出の伸びを示し、韓国も6―10%台の輸出の伸びが期待できるが、輸入はこれを上回る9―13%増加するためだ。
物価圧力もある、不動産価格急騰、過剰流動性などが懸念される。